陸軍武官進級令(明治22年勅令第61号)

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陸軍武官進級令(りくぐんぶかんしんきゅうれい)

制定
制定時の条文
改正 改正後の条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治23年勅令第29号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治23年勅令第136号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治27年勅令第106号) 条文
陸軍武官進級令中追加ノ件(明治27年勅令第165号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治32年勅令第438号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治34年勅令第98号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治35年勅令第156号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治35年勅令第226号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治37年勅令第148号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(明治42年勅令第10号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(大正3年勅令第140号) 条文
陸軍武官進級令中改正ノ件(大正3年勅令第176号) 条文
全部改正
陸軍武官進級令(大正5年勅令第199号) 条文

以下は陸軍武官進級令(大正5年勅令第199号)による全部改正前の大正3年勅令第176号による改正が反映された条文


朕陸軍武官進級條例ヲ廢止シ陸軍武官進級令制定ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽


明治二十二年五月六日
内閣總理大臣伯爵黒田清隆
陸軍大臣伯爵大山 巖


敕令第六十一号
陸軍武官進級令

第一條 陸軍武官ノ進級ハ級ヲ逐テ歴進セシム又缺員ナキトキハ補除スルコトナシ

第二條 陸軍武官ハ實役停年最下期限ヲ超ユルニアラサレハ進級スルコトヲ得ス

第三條 實役停年最下期限ヲ定ムルコト左ノ如シ

伍長ヨリ軍曹ニ進ムハ實役停年半年軍曹ヨリ曹長ニ進ムハ實役停年一年曹長ヨリ特務曹長ニ進ムハ實役停年二年特務曹長ヨリ少尉ニ進ムハ實役停年二年
少尉ヨリ中尉ニ中尉ヨリ大尉ニ進ムハ實役停年各二年大尉ヨリ少佐ニ進ムハ實役停年四年
少佐ヨリ中佐ニ進ムハ實役停年三年中佐ヨリ大佐ニ大佐ヨリ少將ニ進ムハ實役停年各二年
少將ヨリ中將ニ進ムハ實役停年三年
中將ヨリ大將ニ進ムハ歴戰者又ハ功績特ニ顯著ナル者ニ就キ特旨ヲ以テ親任スルヲ例トシ最下期限ヲ定ムルコトナシ

第四條 戰時ニ在テハ各官ノ實役停年ヲ其半ニ減スルコトヲ得

第五條 休職停職ノ年月ハ實役停年ニ算入セス但敵ノ捕虜トナリ休職ニ入ル者正當ノ理由アルトキハ其年月ヲ實役停年ニ算入スルコトヲ得

第六條 陸軍武官進級ノ法二アリ一ヲ停年補除トシ一ヲ抜擢補除トス

第七條 停年補助トハ實役停年最下期限ヲ超エタル順次ニ依リ進級セシムルヲ云ヒ抜擢補除トハ實役停年最下期限ヲ超エタル者ニ就キ抜擢進級セシムルヲ云フ其區別左ノ如シ

伍長ヨリ軍曹ニ軍曹ヨリ曹長ニ曹長ヨリ特務曹長ニ進ムハ皆抜擢トス
少尉ヨリ中尉ニ進ムハ停年三分二抜擢三分一トス
大尉ヨリ少佐ニ少佐ヨリ中佐ニ中佐ヨリ大佐ニ進ムハ皆抜擢トス

第八條 將校ハ職權ニ依テ部下ヲ抜擢スルノ權ヲ有ス但直屬長官アル者ハ其監督ノ下ニ在テ之ヲ行フ

第九條 將官ノ進級及將官ニ進級スルハ上裁ニ出ルト雖モ先ツ内旨ヲ陸軍大臣ニ諭スヲ例トス

第十條 特務曹長ノ少尉ニ進級スルハ特例トス此選ニ當ルヲ得ル者ハ功績抜群ニシテ士官タルノ學力ヲ有スルモノニ限ル

第十一條 陸軍大臣ハ毎年將校ノ實役停年名簿ヲ作リ之ヲ奏上スヘシ

第十二條 將校ノ抜擢進級候補及准士官ノ將校ニ進級スル候補ハ上裁ニ出ルモノトス陸軍大臣ハ上旨ヲ奉シテ決定候補名簿ヲ調製スヘシ

第十三條 下士ノ准士官ニ進級シ及下士ノ進級スル候補ハ師團長及之ト同等以上ノ權アル長官並ニ軍務局長經理局長醫務局長之ヲ裁決シテ決定候補名簿ヲ調製スヘシ

第十四條 決定候補名簿ハ其調製ノ日ヨリ次年決定候補名簿調製ノ日迄之ヲ用ユヘシ

第十四條ノ二 戰時若クハ事變ニ際シ敵前ノ軍隊ニ在リテ人員缺乏シ定規ニ依ルコト能ハサルトキハ前數條ニ拘ラス特ニ進級セシムルコトヲ得

第十五條 戰時若クハ事變ニ際シ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ前數條ニ拘ラス其ノ際特ニ進級セシムルコトヲ得

一 敵前ニ在リテ殊勲ヲ奏シ首將之ヲ全軍ニ布告シタル者
ニ 殊勲ヲ奏シタル者又ハ勲功顯著ナル者ニシテ傷痍又ハ疾病ノ爲危篤ニ陷リタルモノ

第十六條 興軍ノ日ニ方リテ戰地ニ臨ムノ首將ニハ特ニ進級補除ノ權ヲ假スコトアルヘシ

第十七條 將校相当官經理部衞生部軍樂部下士及諸工長ノ進級ハ將校及各兵科下士進級ノ例ニ依ル

第十八条 曹長ノ特務曹長ニ進級スルハ入隊後八箇年以上服役シタル者ニ限ル

砲工兵曹長及砲兵一等諸工長ノ砲工兵上等工長ニ進級スルハ入隊後砲兵工長候補生徒ヨリ出身ノ者ニ在リテハ入校後八箇年以上服役シ實役停年二年ヲ超エタル者ニ限ル
前項砲工兵曹長ノ進級ニ付テハ火工術ヲ修得シ又ハ其ノ服役中ニ二箇年以上技術部隊ニ在職シ當該技術ニ從事シタルコトヲ要ス

第十九條 一等計手ノ上等計手ニ一等看護長ノ上等看護長ニ一等蹄鐵工長ノ上等蹄鐵工長ニ一等樂手ノ樂長補ニ進級スルハ實役停年最下限ヲ二年トス

樂長補ノ二等樂長ニ進級スルハ實役停年三年ヲ超エ功勞顯著ナル者ニ限ル
二等樂長ノ一等樂長ニ進級スルハ實役停年最下限ヲ三年トス

第二十條 前二條ニ依リ進級スルハ皆抜擢トス

第二十一條 短期下士タル伍長ハ平時ニ在リテハ軍曹ニ進級セシムルコトナシ

第二十二條 第十八條ノ服役年ハ教導團、要塞砲兵射撃學校出身者ニ在リテハ入團又ハ入校ノ日ヨリ起算ス

第二十三條 第十八條第一項ノ服役年ハ當分ノ内六箇年ニ短縮スルコトヲ得

(明治32年勅令第438号)

本令ハ明治三十二年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス

明治三十二年十一月三十日現在ノ二等軍曹同相當官及諸工下長タル下士ハ本令施行ノ際直ニ軍曹同相當官及二等諸工長ニ任スルコトヲ得其ノ區分ハ陸軍大臣之ヲ定ム其ノ任官後曹長同相當官及一等諸工長ニ進級スル實役停年ハ一年六箇月トス

(明治35年勅令第156号)

本令ハ明治三十五年六月一日ヨリ之ヲ施行ス

(明治42年勅令第10号)

本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

(大正3年勅令第176号)

本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス